« 新たな設備投資 | メイン | +α成功するメールマガジン »

 +αセップ(プラスアルファセップ)

ワセリンを効率よく薄く塗布する方法の考察

ワセリンは、とても優秀な分離材である。
多少の粘着性もあり、これを簡単に薄く塗布出来れば、かなり有用に活用出来る。
しかし、使い方がいたって面倒なのだ。
ワセリンの表面をフレームであぶり、解けたところを筆ですくい取り塗布すると、時としてだまになったり、塗りむらが出来る。
簡単に均一に塗布出来る方法はないものだろうか?

考えてみると、ワセリンを揮発性の高いなんらかの溶剤で溶かしておけば、筆で一塗りすることで溶剤が揮発して、薄く均一にワセリンを塗布出来るはず・・・
ワセリンが解け、しかも揮発性の高い溶剤は何かないものだろうか?
簡単に手に入るのもがいい。出来るならば、技工室にあるものがベストである。
そこで、いろいろ実験してみると二種類の溶剤が使えることが判りました。
ベンジンとシクロヘキ酸です。

この二つが、ワセリンを溶かすことがわかりましたが、純度の高いアセトンでも、ワセリンを溶解するかもしれません。ワセリンの原料はパラフィンですので、水やエタノールにはまったく熔けません。
さて、分量ですがワセリン1に対してシクロヘキ酸(又はベンジン)が5くらいがイイでしょう。揮発性が高いので継ぎ足しながら使うことになります。

ベンジンを使用した場合は熔けにくさを感じました。24時間くらい置かなければちゃんと熔けません。早く溶かそうと超音波をかけたり容器を振ってみましたが効果はありませんでした。時間が経たないと熔けないようです。また長い間使用していると、ワセリンが容器の口にたまり汚くなります。基本的にベンジンにはうまく熔けないのかもしれません。

シクロヘキ酸を使用した場合はワセリンがすぐに熔けはじめ4~5時間で完成します。またベンジンと違い、長い間使用してもワセリンが容器の口にたまり、汚くなることもありません。使用してみると、ベンジンよりもワセリンを薄く塗布できるようです。



この+αセップ(勝手に銘々)の使用法は、ワセリンを使用するあらゆる場面に使用できます。
トレーレジンの分離に模型に塗布すれば、驚くほど薄くワセリンの皮膜が出来ます。
HIDEラボでは、リテンションビーズの接着に使用しています。カットバックした前装部に筆で撫でるように塗布すれば、ビーズは綺麗にくっつきます。コツは、だまに成らないようにごく薄く塗ることです。
ガム模型の制作時にもシリコン印象に塗布しておけば、ガム材はきれいに剥がれてくれます。
義歯の修理や、TEKの制作時にも「+αセップ」を使用しています。

材料さえ揃えれば簡単に制作出来ますので、ぜひお試し下さい。
ガラス容器で保存することもお忘れなく。
          

new entry

Copyright 2005-2006 ©+α成功する歯科技工士